【理論は程々に】建設業経理士1級独学合格 財務諸表の勉強法
試験での出題概要など
この科目は他の2科目(財務分析・原価計算)と
違い理論問題の比率が比較的多いです。
記述問題以外の80点中32点を占めます。
また、資格の紹介記事でも述べましたが、
試験での各配点は次の通りです。
- 第1問 理論記述問題(20点)
- 第2問 理論穴埋め問題(14点)
- 第3問 理論正誤判定問題(18点)
- 第4問 個別論点計算問題(12点)
- 第5問 精算表作成問題(36点)
上記の様に他の2科目(財務分析・原価計算)と違い
理論問題の配点が高めですが、計算問題対策が重要と
いう点は変わりません。
私が勉強に使用したテキスト&問題集はこちら↓
このテキストは、各単元の最初に一枚絵と短い説明が
添えられており勉強することのイメージがしやすく、
また1単元当たりのページ数も少なめなので読み進め
やすく作られています。
各問題の取り組み方
第1問 最近の出題範囲
第29回 | 第30回 | 第31回 | 第32回 | 第33回 |
企業会計原則 | 退職給付会計 | 費用概念 | 工事進行基準 | 偶発債務 |
御覧の様に、毎年出題分野が全く違っており
「最近この分野が出易い」という様な予想は
ほぼ不可能ですが、それでも記述問題の記事でも
書いた様に白紙提出は絶対に避けましょう。
最初はテキスト丸写しでも良いのでとにかく
まずは「文章を書く」という工程に慣れましょう。
仮に分が浮かばなくとも、問題文からでも
それらしい文章を考えて、何とか部分点を貰える
様にしましょう。
点数を高くする為の「文章力」を高める方法と
しては、テキストの中の論点や語句の意味を
説明した文章を抜き出して原稿用紙に書き写して
いく事も有効です。
第2問 最近の出題範囲
第29回 | 第30回 | 第31回 | 第32回 | 第33回 |
棚卸・固定資産 | 費用配分の原則 | 資産概念 | 負債全般 | 棚卸資産・ 固定資産 |
表の通り、最近は資産や負債に関する出題が
多い傾向です。
また、出題形式は穴埋め形式で暗記事項を問う問題が
ほぼ100%なので、テキストの重要事項や過去問で
頻繁に問われる事項をピックアップしてまめに見直す
習慣を付けておきましょう。
第3問 最近の出題傾向
第29回 | 第30回 | 第31回 | 第32回 | 第33回 |
財務会計 正誤判定 |
財務会計 正誤判定 |
財務会計 正誤判定 |
財務会計 正誤判定 |
財務会計 正誤判定 |
御覧の様にこの設問は特定の範囲は出題されず、
財務諸表全般の会計処理の正誤が問われます。
原価計算の第4問対策と同じく多くのタイプの
問題を知っておく必要があるので、日商簿記1級の
「会計学」の問題に接しておくのも個人的には
良い対策になると思います。
ただ、問題文が正しいか誤りかを判断させる
だけで誤りの場合に正しい事柄を記入させる
会計学の難易度とは雲泥の差なので、あまり
深入りし過ぎても合格点確保には非効率です。
他の2科目よりも理論に時間は掛けた方が
良いですが、それでもやはり計算問題に
重きを置くようにして下さい。
第4問 最近の出題傾向
第29回 | 第30回 | 第31回 | 第32回 | 第33回 |
連結会計 | リース会計 | ヘッジ会計 | JV会計 | 株主資本等 変動計算書 |
出題範囲はややバラつきがありますが、
仕訳を要求されるのが毎年共通で、各会計処理の
一連の流れを理解する事が重要です。
なお、連結会計はテキスト内では複雑な内容まで
紹介されていますが、試験での出題時は第29回の
様に評価差額やのれんの金額の計算など基本的な
問題が殆どなので、テキストの例題レベルの問題を
解ければ合格点確保には十分です。
そして、JV会計出題時は一番初めの前受金の
入金から工事完成後の完成工事高の入金処理までの
一連の流れを問われるので、テキストの例題や過去問を
何度も解き、問題を一見しただけで全ての処理を
書き出せるぐらいに仕上げておきましょう。
第5問の対策について
第5問の精算表問題は計算量の多さに対して
時間が足りなくなりがちで、ケアレスミスを
招きやすいので、過去問を何度も解き
解答スピードを上げ、かつ計算ミスを
無くす様に訓練しておきましょう。
それと、この精算表問題は専門の解答用紙に
数字を記入して解答しますが、その用紙を
何度も使える様に、書いた数字が自由に消せる
フリクションペンを備えておくのもお勧めです。
まとめ
- 第1問の記述問題はテキストの文章の模写から始める
- 第2問対策は重要事項の暗記が重要
- 第3問対策は日商簿記の会計学の学習も有効
- 第4問の連結会計対策は基本問題をマスターする
- 第5問の精算表問題は計算スピードを
上げる事に専念する
という事について書かせて頂きました。
計算問題に重点を置き、しかし理論問題とのバランスも
取りつつ合格点を確保しましょう。
ここまで読んで頂き有難うございました。
建設業経理士1級の記事一覧はこちら
※追記 直前期の勉強について
試験の直前は、試験での計算ミスやケアレスミスを
無くす為の対策に絞って行って下さい。
下手に苦手な論点の対策等を行うとほぼ100%
「やっぱり分からない…」となってしまい却って
逆効果です。
初めの記事でも述べた様にこの試験はどの科目も
時間が足りなくなりがちなので、財務諸表に関しては
配点が高く一番時間の掛かる精算表問題の演習を重ね、
解く時間を縮める訓練をしておきましょう。